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言語障害のある方へのAT/AACその2 [e-AT・AAC(試験対策)]

AACの紹介に関しては余り間を置かない方がより分かりやすいと考えたため,連日で記事を書いている.この記事は「ローテクコミュニケーション技法」「ハイテクコミュニケーション技法」とかなり幅広い分野のことを記載しているので,不明な点や具体的に示して欲しい点があれば,コメントなどでフィードバックして欲しい.それでは.

  • AAC(Augumentative and Alternative Communications)
  • ローテクコミュニケーション技法
    簡単な道具をを使用したコミュニケーション技法のこと.主には以下のものが挙げられる.
    • 筆記用具
      文字を習得した人には筆談は有効なコミュニケーション手段となる.
    • 文字盤
      50音表を記入したボードのことで,ユーザーは文字を指差すことでコミュニケーションをとる方法が一般的.もしユーザーが直接指差しできない場合は,支援者が指差しながら聞いてみて,目標が来たらサインを送る方法もある(後のハイテクコミュニケーション技法の「オートスキャン」に似ている).支援者は指差しをした文字を声に出すことで確認となる.また,文字盤で作成した文章はメモを取った方が良い.
    • 透明文字盤
      透明もしくは向こうがよく見える半透明のアクリル板に50音を記入したボードのことで,ユーザーが文字盤の文字を指差すことが困難な場合に,意図した文字に視線を向け,それを支援者が読み取りコミュニケーションをとる方法.使用方法は大きく分けると2つあり
      直接選択(EyeLink)…支援者が対面で文字盤を持ち,ユーザーの視線を手がかりに,お互いの目を目標の文字が一直線となる部分まで文字盤を動かし,ユーザーの視線の先の文字を読み取っていく方法.
      順次選択(Etran)…文字盤のグループを適当な数に分けておく.使用の際はユーザーの視線の動いた方向でグループを決定する.再度視線を動かしグループ内の1文字を決定する方法.
    • コミュニケーションボードコミュニケーションブック
      文字以外のシンボル,絵,写真,実物をコミュニケーション用にボードに配置したものがコミュニケーションボードであり,通常は指差しで利用する.よく用いられるシンボルとしてPCS(Picture Communication Syanbols)やPIC(Pictogram Ideogram Communications)がよく知られている.また,ボードを持ち運びできるように冊子にしたものが,コミュニケーションブックである.どちらも文字の理解できない方に有効だが,必要である.さらに,透明もしくは向こうがよく見える半透明のアクリル板にシンボルや絵を描き視線でコミュニケーションをとるボードのことを視線コミュニケーションボードという.
      ローテクコミュニケーション技法ならびにコミュニケーションシンボルについては下記サイトをご参照下さい.
  • ハイテクコミュニケーション技法
    音声を利用できるコミュニケーションエイドを使用したものが,ハイテクコミュニケーション技法であり,主に下記のものが挙げられる
    • VOCA(Voice Outout Communication Aids)
      音声を出力するコミュニケーション機器で,携帯可能な大きさのもの.なお,VOCAは「携帯用会話補助装置」の項目で日常生活用具の給付対象品目となっている(ただし知的障害者は日常生活用具給付の対象外となっている).
      • 1つのキーが本体についたVOCA
        基本的に1つのメッセージを録音・再生が可能である.機器によっては時系列上に複数のメッセージが録音・再生できる機器もある.音声を使う楽しさや意味を知るために有効.
      • 複数のキーが本体についたVOCA
        2~32個程度キーを持つものが多く,基本的にそれぞれのキーに対しメッセージを録音 ・再生が可能である.文字やコミュニケーションシンボルなどで表記されたオーバーレイシートを入れることで各キーのメッセージ内容を表すことができ,即応性に優れ,生活場面を限定すると実用的に使用可能である.
      • 50音の文字盤がありメッセージを作成し再生するVOCA
        文字を理解している方ならば文書の作成も可能であり,一般的には合成音声で再生する.ただし,文書をつくるためにキーを多く入力しなくてはならないので,即応性は低いことがある.
      • 液晶タッチパネル式のVOCA
        画面上にオンスクリーンキーボードが表示されているタイプのもので,階層式にメッセージの作成が可能であるので,多くのメッセージの使用が可能である.合成音声と録音音声を併用できるものがあり,簡単な環境制御(*1)ができるものもある.ただし,実用的に使いこなすには高い理解力が必要となる.
    • パソコンをベースにしたコミュニケーションエイド機器
      パソコンにコミュニケーションエイド用のソフトをインストールして使用するものであり,専用機として販売されているものとソフトウェアのみ単体で販売されているものがある.VOCAに比べると高機能ではあるが,携帯し持ち歩くことは困難である.文書を作成に時間がかかる場合が多いため,即応性に対応するために他のAAC機器と併用する場合がある.ゆっくりと日記や手紙の作成に使われることが多い.また,簡単な環境制御が可能なものもあり.なお,これらの機器は「重度障害者用意志伝達装置」の項目で日常生活用具の給付対象品目となっている.
      ハイテクコミュニケーション機器については下記サイトをご参照下さい.
  • ハイテクコミュニケーションエイドの操作方法
    下記にいくつかの例を示すが,実際問題として各機器により微妙に操作方法が違ったり,2つの操作方法が合わさったものなどがあるため,ユーザー・支援者ともよく理解した上で機器を導入することが望ましい.
    • 直接選択法
      キーを直接手や足の指,マウススティック(*2)で直接押し入力をする方法.キーを押す能力が必要である.
    • オートスキャン法(自動走査法)
      画面上に表示されたオンスクリーンキーボード(*3)上を自動で移動するカーソルを入力すべき文字のところでスイッチを押しキーを選択する方法.重度の四肢マヒのある方が対象となるが,スイッチの入力にタイミングが必要であるため,不随意運動や緊張のある場合はステップスキャン法を用いた方が良い場合が多い.
    • ステップスキャン法(逐次操作法・手動走査法)
      大きく分けてスイッチ2つで行なう方法とスイッチ1つで行なう方法の2種類がある.
      (1) スイッチ2つで入力する場合,一方のスイッチでオンスクリーンキーボードのカーソル移動,もう一方のスイッチでキーを選択し決定する方法,
      (2) スイッチ1つで入力を行なう場合,スイッチはオンスクリーンキーボードのカーソルの移動に使用し,目的のキーのところで一定時間止めておくことで決定を行なう方法,
      ホバリング自動選択と言われる.
      この方法だとスイッチを押す回数は増えるが,スイッチの押すタイミングは要求されないので不随意運動や緊張のある方でも入力が可能となる場合がある.
    • ジョイスティック・ポインティングデバイス・複数のスイッチによる入力法
    • オンスクリーンキーボード上のカーソルを上記の機器を用いて動かし選択,決定を行なう方法.スキャン法に比べると格段に操作性が向上する.

    • 符号化入力法
      モールス信号のようにスイッチを操作で長短組み合わせた操作を行ない操作する方法.四肢の運動は制限されているが,細かな操作が可能な人に適する場合が多い.




今回はここまで.次回から肢体不自由のある方へのAT/AACに入るが,かなり量があるので何回に分けるか考え中のため,次回冒頭で何回にするかご報告したい.その後,重複障害の方のAT/AACに進む予定である.

*1:環境制御装置(ECS):赤外線リモコンの信号を記憶させたり,有線の信号等を各種スイッチを用いて操作できるようにした機器のこと.
*2:マウススティック:主に頚椎損傷者がキーボードのキーを押すのに用いる口に加える自助具のこと.
*3:オンスクリーンキーボード:以前の記事「パソコンのアクセシビリティその6(ユーザー補助のアプリケーション」のスクリーンキーボードを参照のこと.


参考文献・サイト

  1. 福祉情報技術 II 生活を支援する技術編
    e-AT利用促進協会 監修
  2. 福祉情報技術 I 障害とテクノロジー編
    e-AT利用促進協会 監修
  3. 福祉情報技術コーディネーター認定試験
    e-AT利用促進協会 監修
  4. アダプティブテクノロジー ~コンピュータによる障害者支援技術~
    ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
  5. こころWeb
    こころリソースブック編集会


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