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福祉と教育の制度 [e-AT・AAC(試験対策)]

今回が最後.「福祉と教育の制度」についてまとめる.

  • 福祉と教育の制度
    • 福祉制度の転換
      • 戦後の福祉制度
        • 「障害者福祉法」は障害のある人を保護するための法律と位置付けられ,福祉サービスを利用する人を「援助の対象としての人間」と捉えてきた.
      • 社会福祉基礎構造改革
        • 平成12年(2000年)から高齢者に対し介護保険制度導入.
        • 平成15年(2003年)から障害者に支援費制度導入.
        • どちらの制度も福祉サービスを従来の措置制度(行政が行政処分によってサービス内容を決定する制度)から,利用制度(利用者が事業者と対等な関係に基づいてサービスを選択する制度)に以降したものである.
        • サービスの利用者(高齢者・障害者)に対して,能動的に情報を入手し,取捨選択することを求めている.
    • 障害のある人に関する制度と法律
      • 国民年金に加入している人(または20歳前に障害を持った人)が病気やケガにより障害を持った場合,障害基礎年金が支給される.
      • 知的障害・精神障害のある人もその程度に基づき年金が支給される.
      • 厚生年金保険や共済組合に加入している人については,障害厚生年金・障害共済年金が支給される.
      • 就労については「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき,日本障害者雇用促進協会が設立され,雇用促進と職業安定にさまざまな活動を実施している.
      • 全国47都道府県に設置された障害者職業センターでは障害のある人に対し,職業能力・適性などの評価をはじめ,障害の種類や程度に応じた職業相談・指導,就職後のアフターケアを,事業者に対しては雇い入れ・配置などの雇用管理,作業施設の改善に関する相談・助言を行なっている
      • 「障害者の雇用の促進等に関する法律」では「障害者雇用率制度」が設けられ,常用労働者数が56人以上の民間企業は,1.8%以上(法定雇用率)の身体障害者もしくは知的障害者を雇用しなければならないとされている.
      • 「障害者の雇用の促進等に関する法律」では障害のある人を雇用した場合に事業所の施設改善や特別な機器の導入などに対し助成金が支払われる.
    • AT機器に関する法律・制度
      • 日本の法律・制度
        • 日常生活用具給付制度
          • 障害のある人のための福祉用具・支援技術に関わる用具の給付制度として,身体障害者福祉法,児童福祉法に基づいて日常生活用具の給付制度がある.
          • 日常生活用具給付制度の支援技術の対象品目としては,「テープレコーダー」「盲人用カナタイプライタ」「点字タイプライタ」「盲人用電話区」「盲人用体温計(音声式)」「盲人用秤(体重計)」「視覚障害者用拡大読書器」「点字図書」「聴覚障害者用通信装置」「文字放送デコーダ」「パーソナルコンピュータ」「携帯用会話補助装置」「重度障害者用意志伝達装置」「視覚障害者用ワードプロセッサ」などがある.
          • 給付対象となる障害や等級に関して明確な規定があり,貸与・給付・共同利用と提供方法もいくつかある.
          • 2002年4月より「ワードプロセッサ」に代わり「パーソナルコンピュータ」が給付対象になった.なお,「パーソナルコンピュータ」の給付限度額は118,500円であり,対象者は上肢障害2級以上または言語,上肢複合障害2級以上(文字を書くことが困難な方)となっている.
        • 交通バリアフリー法
          2001年11月に「高齢者・身体障害者等の公共交通機関を利用した円滑化の促進に関する法律(通称:交通バリアフリー法)」が成立した.同法では,新設の公共交通機関にエレベータやスロープの設置を義務付けたものである.
        • アクセシビリティ指針
          情報の利用に関して多くの人が利用できる機器の開発を促進する目的で,1998年10月に総務省(旧郵政省)が「障害者当電気通信設備アクセシビリティ指針」を,2000年6月の経済産業省(旧通商産業省)が「障害者・高齢者等情報処理機器アクセシビリティ指針」を告示している.
      • アメリカの法律・制度
        • ADA(障害のあるアメリカ人法)
          同法では,適切な配慮によって,あるいはそれによらずに,雇用にとって必要不可欠な職務を遂行できる能力を有している障害者の採用手続き・賃金・昇進・解雇・給与・職業訓練などの条件や恩恵に関する差別を禁止している.
        • リハビリテーション法508条
          同法では,連邦政府が購入する情報機器は障害者にアクセシブルなものでなければ調達してはならないとしている.
        • 通信法255条
          情報通信機器の設計・開発において,機器の機能やサービスが障害のあるユーザーに使えることを求め,設計段階において聞くことを要望するもの.
        • テクノロジー関連支援法(Technology-Related Assistance for Individuals with Disabilities Act)
          州政府と全国規模での支援技術の研究・開発や普及促進をさだめたもの.
        • 支援技術法(Assistive Technology Act)
          ATおよびサービスの供給により障害のある人々の生活の向上,コミュニティなどへの参加・関与.障害のない人との交流.障害のない人と同等機会の獲得実現などが目的.
      • 障害のある人の教育制度
        • 日本の教育制度
          • 障害のある子ども(約80,000人)は特殊教育養護学校で学んでいる.
          • 特殊教育養護学校は,知的障害・肢体不自由・病弱の子どもが学ぶ養護学校,視覚障害のある子どもが学ぶ盲学校,聴覚障害のある子どもが学ぶろう学校からなっている.
          • 1979年に養護学校が義務教育化された.
          • 近年,障害のある子どもを地元の学校で学ばせたいと考える親が増えてきており,小中学校の中に障害児学級が設置されている.
          • 普通学級に在籍し,統合教育(インテグレーション・インクルージョン)という形で学んでいる子どももいる.
        • アメリカの教育制度
          • 障害のある子どもの多くは統合教育で学んでいる.
          • IDEA(障害のある人の教育法)により障害のある子どもは個別教育プログラム(IEP)の立案が義務付けられる.
          • IDEAではIEPの中で支援技術の利用を考慮すべきとしている.
          • 教育の支援技術に対する関心が高まっている状況である.

    以上でとりあえずAT/AACに関する主だった内容は終了.今後は内容を若干変えて新たにAT/AACに関する内容をまとめたいと考えている.


    参考文献・サイト
    1. 福祉情報技術 II 生活を支援する技術編
      e-AT利用促進協会 監修
    2. 福祉情報技術 I 障害とテクノロジー編
      e-AT利用促進協会 監修
    3. 福祉情報技術コーディネーター認定試験
      e-AT利用促進協会 監修
    4. アダプティブテクノロジー ~コンピュータによる障害者支援技術~
      ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
    5. こころWeb
      こころリソースブック編集会

AT/AAC機器の導入とサポート [e-AT・AAC(試験対策)]

今回は「AT/AAC機器の導入とサポート」についてまとめる.

  • AT/AAC機器導入の手順
    1. オリエンテーション
      • 障害のある方のニーズを把握する.
      • 疑問には親切に答えること.
      • 相談スタッフはAT/AAC機器に関する知識,経験を十分に持っている必要がある.
    2. 導入を前提にした検討
      • 身体機能のチェック
      • 操作方法の検討
        残された身体機能で,無理なく機器操作が可能な部位と操作方法を検討する.
      • 経済的な面の検討
        機器導入によるメリットとそれに対し支払われる経費に関して,本人・ご家族と十分な検討を進める.
      • 家族・介護者の理解
        家族・介護者に機器の持つ意味を理解してもらう.
      • 環境整備の検討
        機器の設置環境に問題がないか検討する.
      • 総合的評価
        各要素をもとに,総合的な評価をする.
    3. 導入
      • 販売・設置業者との連絡
      • 作業役割の明確化
        障害のある人の身体機能に関することはリハビリテーションスタッフや病院のスタッフが,機器本体や周辺の配線処理などが販売・設置業者が行なうよう役割分担をした方が効率的.
      • 適切な設置
        本人が使いやすいことと,他者の邪魔にならないよう適切に設置を行なう.
      • 取扱について分かりやすく説明すること.
  • フォローアップ
    • 利用者からの連絡を待つだけでなく,設置者側から状況把握するため電話を行なう.
    • 長期的なフォローアップも,機器が継続して利用されるために重要である.
  • サポートに関して
    1. サポートの方法・時間
      • サポートの頻度.期間は,対象者と支援者双方が負担にならないよう配慮する.
      • 1回のサポート時間は最大2時間程度を目安にする.
      • サポートの内容を明確にしておく.
      • 本人が達成感を得られるようにサポートする(はじめから複雑な機能を要求し,失敗すると自身を喪失したり,意欲が低下する).
      • 効率は低くても最初は確実に操作できる方法をまず見つける.
      • ちょっとした言動により相手を不快にしたり,傷つけることがあるので十分に配慮することが必要である.
      • サポート開始前にその日に行なう内容を説明し,終了後に次回行なう内容を確認する.
      • 対象者の体調や操作の様子を確認し,心身に負担がかかるようなサポートは避ける.
      • 対象者の身体状況は日によって大きく異なることを理解しておく.
      • 合間に休憩をとるなど,対象者に無理が内容配慮する.
    2. 機器設置に関して
      • 介助者の動きに可能な限り影響を及ぼさないことに配慮する.
      • 介助者がスイッチや電源コードを引っ掛けないように配線する.
      • ベッドの回りでは水を使用することがあるので,機器にかからないよう配慮する.
      • 床に直接機器を置くのではなく,棚やテーブルの上に置き,水やホコリから機器を守るようにする.
      • ホコリよけのカバーにより機器が誤動作することがあるので注意する.
    3. 機器説明に関して
      • 一度に多くのことを説明するのではなく,最初は基本的なところに留めておく.
      • 情報が多い場合は数回に分けて説明する.
      • 本人だけでなく,ご家族・介助者も同席してもらい,実際に機器操作を体験してもらう.
      • 口頭による説明のみでなく,最低限必要な操作手順は紙に書いておき渡す.
      • 説明の際,イラストや写真を活用する.
    4. サポートの範囲
      • 修理に関しては保証書を添付した上で,購入先もしくはメーカーに依頼をする.
      • 不調の原因がOSやソフトウェアの設定の問題である場合,対象者に作業内容を説明し,同意の上で設定変更を行なう
      • データ破損に備え定期的にバックアップをとる.
      • サポートの際,その他の介助を依頼された場合,技術サポートと介助サポートを明確にし,介護はできない旨を伝えておく.
      • 違法コピーはしない!
      • サポートの目的や範囲,領域を明確にし,責任を持って対処できない場合は,購入先やメーカー,専門的な知識を持った技術者に引継ぎを行なう.
  • サポートとプライバシー
    1. サポート時のプライバシー侵害
      • 初期設定時やインターネットの接続設定時に,支援者はパスワードやメールの送受信記録を個人情報を知る.
      • 一般家庭に訪問した際は家族内の情報を知る.
      • 支援者はそれらの個人情報を漏洩してはならない!
    2. 施設・病院などでパソコンを使用する場合の注意
      • 複数の人が一緒に生活する場所であるため,他者からのプライバシーを侵害される恐れがある.
      • ディスプレイやキーボードが他者から見えないよう,向きを変えたりついたてを利用する.
      • 採光に問題が生じたり,不適切な操作姿勢を強いないようにする.
      • スクリーンリーダーを使用する場合,ヘッドフォンを使用する.
      • パソコンを共同使用する場合,一人一人にユーザー設定を行なう.
      • 施設内LANを構築する場合,明確に責任者を決めておく.またLANに関する情報が施設職員を含む第三者に漏洩しないよう管理を行なう.

次回がとりあえずの最後のまとめ「福祉と教育の制度」である.


参考文献・サイト

  1. 福祉情報技術 II 生活を支援する技術編
    e-AT利用促進協会 監修
  2. 福祉情報技術 I 障害とテクノロジー編
    e-AT利用促進協会 監修
  3. 福祉情報技術コーディネーター認定試験
    e-AT利用促進協会 監修
  4. アダプティブテクノロジー ~コンピュータによる障害者支援技術~
    ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
  5. こころWeb
    こころリソースブック編集会


障害全般とAT/AACその2 [e-AT・AAC(試験対策)]

今回は「障害とAT」「ATとバリアフリー,ユニバーサルデザイン」「高齢者とAT」についてをまとめる.

  • 障害とAT
    • ATが変える障害
      • 障害を補償するためのAT
        • できなかったことをATが可能にする.
        • ATを使ってできたことが,障害のある人の自信になる.
        • ATを使って活動する人をみて,周囲の人の障害に対する意識が変わる.
      • 優位に立つAT
        • 障害のある人がATを使用することによって,一部の活動では障害のない人より優位に立つとができることがある.
          例)「障害のない人と電動車いすの競走」「VOCAを使って注目を集める」など
      • 情報獲得のためのAT
        • 障害のある人はこれまで情報の入手が容易でなく,与えられる情報を頼りに生活をしていることが多かった.
        • 情報機器の活用により,障害のある人自信がインターネットアクセスし,自分の力で情報を獲得することができる.
        • 家族や介護者よりも多くの情報を持っている場合もある.
      • 世界を広げるAT
        • 自閉症や一部の精神障害のある人には対面でのコミュニケーションが困難でも,インターネット上では他者とのコミュニケーションが成立する人もいる.
        • 障害があっても,インターネットを利用し仕事をしている人もいる.
        • 施設や病院で暮らす人たちにインターネットが新しい活動の場を提供している.
    • 新しいテクノロジーが生み出す障害
      • 情報化の進行により,情報機器を利用できない人が生活に支障をきたす場合がある.
      • 情報入手に障害があることを情報障害という.
      • 情報機器を利用できる人とできない人の間に格差が生じることをデジタルデバイド(情報格差)という.
      • 障害者や高齢者がデジタルデバイドにより不利益を被りやすいと考えられている.
    • AT利用への不安
      • バーチャル世界へ没頭してしまう?
        →現実世界で制限を受けてしまう障害のある人にとって,バーチャル世界は可能性を秘めたもうひとつの世界である.現実世界との接点を失わないように配慮し.2つの世界を上手くすみ分ける必要がある.
      • ATの使用により障害回復が妨げられる?
        →ATを使用するか機能選択かの二者択一ではなく使い分ける必要がある.両方のアプローチを場面によって使い分ける方法で自立度を高めるように配慮する必要がある.
    • ATをうまく利用するためのポイント
      • AT機器がすべての問題を解決するものではないことを理解する.
        • AT機器の機能には限界があり,多くの人が期待するレベルに達してはいないものが多い.
        • しかしAT機器が使い物にならないという訳ではなく,場面を限定することで有効に使用できる.
      • 形を変えてできる方法を考える.
        • 障害のない人と同じようにすようと考えないようにする.
          例)マヒによりメモがとれないならICレコーダーで録音しメモにするなど
      • 部分参加
        • 全体の活動の一部分に積極的に関わることで達成感をえることは可能である.
        • AT機器で全てのことはできなくても,一部分に関わることができることは多い.
  • ATとバリアフリー,ユニバーサルデザイン
    • AT(支援技術)とは
      • リハビリテーション領域への工学的・技術的支援はリハビリテーション工学(Rahabitiration Engineering)と呼ばれていたが,福祉機器を必要とする人には高齢者などリハビリテーションにはあまり含まれない人も対象となるので,より広い概念として支援技術(AT:Assistive Technology)と呼ばれるようになった.
      • 北欧ではテクノエイド・テクニカルエイドという用語が福祉用具とほぼ同等に意味に使用されている.
      • 支援技術デバイス(Assistive Technology Device)は,主に北米で使用されている用語.
      • 1988年にでたアメリカの法律「障害のある人のためのテクノロジーに関連した支援法:Tech Act」では,支援技術機器を「買ってきたか,そこにあったものか,手直しされたものか,個人に合わせて作られたかに関わらず,障害のある人の機能を増大,維持,または改善するために使われるあらゆる装置,装置の部分,システムをさす」と定義されている.
      • 支援技術サービスとは,障害のある人が支援技術装置を選ぶ,手に入れる,使用することを助けるあらゆるサービスをさす.
    • バリアフリーとは
      • 1961年にアメリカ標準協会が「障害者のアクセスと利用に配慮した設計標準」を発表.1974年の国連障害者生活環境専門家会議で,障害のある人の社会参加を妨げる建築的障壁が取り上げられ,障壁を取り除こうとする「バリアフリー」という概念が紹介される.
      • 当初は障害のある人だけでなく,一時的な不便を感じている人も「The Hadicapped」としてバリアフリーの対象とされていたが,深刻な問題のある重度障害のある人のことが最優先課題として取り組まれた結果,バリアフリーは障害のある人のための特別な対応という考えは定着してしまった.
      • 建築物や道路,交通機関といった公共性の高い,空間的な課題が中心となっているのがバリアフリーであり,生活空間に近い存在として機器や設備などのアクセシビリティを支援するのが支援機器(AT).
    • ユニバーサルデザインと共用品
      • 1985年にアメリカ・ノースカロライナ州立大学(NCSU)のロン・メイスが「ユニバーサルデザイン」という考え方を提唱.「あらゆる建築物や製品は設計の最初の段階から誰でも利用できるよう最大限の努力をはらって設計するべきである」というのがその考え方.
      • 設計段階から多くの利用者像と想定し配慮することで,完成時に修理や特殊対応を行なうより経済的である.
      • ユニバーサルデザインは障害者をいう存在を意識せず,利用者の能力の幅を意識してデザインする方法である.
      • 共用品は,障害のある人,高齢者,健常者の誰にとっても使いやすいよう配慮されら製品のことである.日本では視覚障害のある子どものために玩具に小さな凸をつける運動がはじめられ「共遊玩具」が誕生した.
      • 1990年代に入り,障害の有無に関係なく共用利用可能な商品作りをめざそうという「E&Cプロジェクト」は発足し,1999年に共用品推進機構が作られ,共用品の開発・普及を推進している.
      • 共用品は,障害者でも健常者でも利用できるようにデザインすることで商品化を可能にする方法である.
      • 支援技術(AT)は個別の課題の解決に有効な手段であり,ユニバーサルデザインは全体に対して有効な手段である.ユニバーサルデザインは「障害者のための」ということを意識しないデザインであり,支援技術とは対置されるものである.
  • 高齢者とAT
    • 高齢者の実態
      • 高齢化
        • 高齢化率(総人口に対する65歳以上の人口の割合)は,2000年現在で17.3%.高齢者のみの単独世帯が約250万世帯(1997年).
        • 施設については6260の老人ホームがあり(1998年),207,817人が入居.そのうち74.4%が認知症で,25.6%が寝たきりである.
        • 平成25年には高齢者率は25%を越える予測である.
      • 高齢者の障害
        • 障害のある多くの人は高齢者であり,18歳以上の身体障害者のうち60歳以上が67%を占めている.人口1,000人に対する障害者の出現率は全体では28.9%であり,70歳以上になると94.6%に達する.
        • 65歳をすぎて要介護となった高齢者の半分が「寝たきり」か「ほぼ寝たきり」.
      • 高齢者の障害理解
        • 「病気である」ことを認めることは容易だが,「障害のある人」であることを受け入れるのは困難な場合が多い.障害のあることを恥であると考える高齢者も少なくない.
        • 障害があるとポジティブに生きていくとは考えにくく,他者に依存しがちになる.障害があっても自分らしい暮らしができる情報を知らない場合が多い.
        • 健常者として暮らしてきた高齢者は,障害のある人との接点が無いことが多い.
    • 高齢者と支援技術
      • 暮らしを再構築の手段としてのインターネット
        • 社会との接点を取り戻すためや,独居老人のコミュニケーション手段としてインターネットを活用する.
        • 趣味や生きがいに結びつく活動を作り出す.
        • 全国に高齢者のパソコン学習などを中心にしたネットワーク活動(シニアネット)が広がっている.
        • 高齢者がパソコンやインターネットを利用して,活動的な生活が送れることを目指した「シニア情報生活アドバイザー制度」がある.
      • セキュリティニーズの高まり
        • 独居高齢者の安全を確保するために,セキュリティシステムの開発が進んでいる.呼出システムは不安を和らげるためにも重要である.
        • 監視については,必ず本人へのインフォームドコンセント(説明と同意)が必要である.
      • 高齢者の利用を考慮した情報機器
        大きな文字での表示や,英語表記から日本語表記への変更,操作方法を減らした機器

次回は制度の紹介とサポート方法をまとめる予定.


参考文献・サイト
  1. 福祉情報技術 II 生活を支援する技術編
    e-AT利用促進協会 監修
  2. 福祉情報技術 I 障害とテクノロジー編
    e-AT利用促進協会 監修
  3. 福祉情報技術コーディネーター認定試験
    e-AT利用促進協会 監修
  4. アダプティブテクノロジー ~コンピュータによる障害者支援技術~
    ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
  5. こころWeb
    こころリソースブック編集会

障害全般とAT/AACその1 [e-AT・AAC(試験対策)]

今回は「障害とは何か」「ADLとQOL」という基本的なことをまとめる.

  • 障害とは
    • 病気・ケガとの違い
      • 障害は固定したもの
        一般的に病気・ケガは快方に向かったり悪化したり状況が変化するが,障害は固定したものと考えられている.
      • 固定している障害の変化
        障害もリハビリテーションにより改善されたり,放置して悪化することがある.また別の部位に二次障害を生じることがある.
    • 従来の障害分類:ICIDH
      WHOは1980年に国際障害分類(ICIDH)を定めた.これは,障害を3つのレベルに分け,機能形態障害(Impairment),能力障害(Disability),社会的不利(Handicap)と定義したものである.
      • 3つのレベルは関連しており,身体機能に機能形態障害(Impairment)を生じ,それまでできていたことができなくなり(Disabillity),職を失う等の社会的不利(Handicap)が生じるという,連続したモデルとなっている.
      • ICIDHの問題点として,障害の過程における社会的・物理的な役割を十分に反映していないことが上げられる.
    • 新しい障害分類:ICF
      WHOは2001年に分類方法を改定しICFを定めた.
      • ICIDHでは障害をさまざまな場面での「できない」面を強調したものであるのに対し,ICFでは障害をマイナスととらえない(マイナスにとらえない)ものであることを強調している.
        ICFでは「心身機能と構造(body function and structure)」「個人レベルの活動(activity)」「社会への参加(participation)」とできることを強調しており,それにたいする制限を障害として考えている.
      • 障害は誰でも持ちうるものと考える.
        老齢化により誰でも障害を持つもとになるし,英語がしゃべれないと海外に行ったときにコミュニケーション面での障害を発生することもある.
      • 障害を相互作用モデルとして考える.健康因子と背景因子(環境因子と個人因子)との間の相互作用やさらに複雑な関係であると考える.同じ障害を持っていても,個人因子や環境因子により状態は変わってくる.
    • 日本の現状
      • 人数
        • 18歳以上の身体障害者数(在宅)は3,245,000人,18歳未満の身体障害児数(在宅)は81,900人と推計されている(平成13年調査).
        • 知的障害児・者数は455,000人(18歳以上338,900人,18歳未満102,200人,不詳14,400人)と推計されている(平成12年調査).
      • 種類と程度
        • 身体障害
          身体障害の種類は「肢体不自由」「内部障害」「聴覚・言語障害」「視覚障害」に分けられ,身体障害者福祉法に基づき障害の程度により1級~7級まで等級が分けられている.なお,専門医の判定を受けることで身体障害者手帳が交付される.
        • 肢体不自由
          下肢もしくは上肢または体幹に障害がある.
        • 内部障害
          心臓機能障害,腎機能障害,呼吸器機能障害,膀胱または直腸の機能障害,小腸機能障害をさす.
        • 聴覚・言語障害
          聴覚障害は全く聞こえないか,難聴などにより音声による情報入手が困難な状態をさし,言語障害を併せもつ場合がある.
        • 視覚障害
          視覚障害は全く見えない(全盲)かまたは視覚による情報の入手が困難な状態(弱視)をさす.
        • 知的障害
          知的障害は,知的な発達が広汎に遅れている状態をさす.知能指数(IQ)と生活能力水準により,「軽度」「中度」「重度」「最重度」に分類される.なお,専門医の判定を受けると療育手帳が交付される.同じ発達障害でも学習障害(LD)や自閉症は知的障害とは区別される.
        • その他の障害
          知的障害は発達的な遅れと法律ではとらえられているため,後天的に知的障害をもった場合,療育手帳の対象にはならない(法的には知的障害ではない).脳血管障害や交通事故にの後遺症として認知障害や記憶障害が残った場合,障害認定は受けることができない.
    • 障害のある方の生活
      • 大きく「家族と暮らす人(家族やヘルパーに介助を受けながら生活)」「施設で暮らす人(家での生活が困難な人の場合福祉施設で生活)」「地域で暮らす人(必要最小限の支援を受けながら自立生活する人)」に分けられる.
      • 仕事
        • 障害のある人は就労が困難な場合が多いため.就労促進の目的で日本障害者雇用促進協会が職業リハビリテーションの事業を行なっている.
        • 障害者職業センターは,障害リハビリテーションサービスを実施する施設であり,全国に55箇所ある.
        • 「障害者の雇用の促進等に関する法律」により56人以上の一般事業主は,「常用雇用労働者数」の1.8%以上が身体障害者または知的障害者を雇用しなくてはならないとされている.
        • 一般就労が困難な人は,福祉就労と呼ばれる形で「福祉工場」「授産施設」「小規模作業所」などで就労している.
  • 障害受容
    • 障害受容について
      • 障害受容は「あきらめ」「いなおり」などのネガティブな状態ではなく,障害があることをポジティブに考えることができる状態のことである.
      • 障害受容は本人だけではなく,家族もその障害を受容する必要がある.
      • 先天性の障害がある人と後天的に障害を持った人の場合,障害受容にいたるプロセスが異なる.
    • 障害受容までのプロセス
      支援機器の導入までには現在本人・家族がどのプロセスにあるか把握しておく必要がある.
      1. ショック
        自分に何が起こったかを理解できていない状態.この期間はさほど長く続かず,少しずつ現実が見えてくる.
      2. 否認期
        自分の障害を認められない状態.ショックを和らげる意味で最も重要な時期であるが,この期間が長く続いた場合,リハビリテーションに影響がでることがある.
      3. 混乱期
        「怒り」「悲しみ」「抑うつ」などが現れる状態.よく介護者とトラブルが生じるのがこの時期である.これらの感情はやり場のない感情の表出と理解する必要がある.
      4. 努力期
        さまざまなきっかけで,いままでとは違った生き方が見えてくる時期.
      5. 障害受容
        自分の障害を前向きに建設的に捉えられるようになった状態.
    • ATと障害受容
      • AT機器の拒否
        • 障害を持った人の多くは障害の克服を望んでいるため,AT機器の導入には慎重に行なわなくてならない.
        • AT機器の紹介により,機能回復の見込みがなくなったと悲観し,機器導入を拒否する場合がある.
        • 特にショック期・否認期・混乱期に機器導入を行なう場合には十分は配慮が必要.
        • 機器の導入にあたっては,AT機器のすべてが否定される訳ではなく,リモコンなど日常で使用するものであれば受容されやすい場合がある.
      • AT機器による障害受容
        AT機器によってできることに気付くことで,障害受容を促進する場合もある.
      • 障害への多様なアプローチの必要性
        ATは解決方法のひとつであり,その他にも医学や工学,心理学,看護学,社会福祉学,教育学などさまざまは視点から考え,時期に応じた支援を行なう必要がある.
      • 「自立」の考え方の変化とコミュニケーションニーズの高まり
        • ADLからQOLへのシフト
          • 1970年代まではADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)の回復・獲得がリハビリテーションの主たる目標であり,回復が困難な場合は手厚く介助するという考え方が一般的であった.
          • 1980年代にアメリカで運動障害のある人の自立生活運動により障害者への観方が変わった.
          • ADLや経済的自立が目標だった自立観が,QOL(Quality Of Life:生活の質)にシフトした.
          • ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)
            障害によりできなくなった食事・排泄・衣類の着脱など,日常の生活に必要な動作のことであり,理学療法や作業療法がADLの獲得に大きな役割を果たしている.
          • QOL(Quality Of Life:生活の質)
            質の高い介護を受けても,障害のある人本人の意志を反映したものでなければQOLの向上には結びつかない.このことによりADLのみでなく障害のある人の自己決定がQOLを考える上で重要となった.自己決定の重要性からAACという分野が確立した.

            AACに関するblog内のリンク
             AT/AAC関連の用語説明
             言語障害のある方へのAT/AACその1
             言語障害のある方へのAT/AACその2

次回も引き続き障害全般とAT/AACに関してまとめる.その次に制度の紹介とサポート方法をまとめていく予定である.


参考文献・サイト
  1. 福祉情報技術 II 生活を支援する技術編
    e-AT利用促進協会 監修
  2. 福祉情報技術 I 障害とテクノロジー編
    e-AT利用促進協会 監修
  3. 福祉情報技術コーディネーター認定試験
    e-AT利用促進協会 監修
  4. アダプティブテクノロジー ~コンピュータによる障害者支援技術~
    ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
  5. こころWeb
    こころリソースブック編集会

Webのアクセシビリティ [e-AT・AAC(試験対策)]

ここからは障害別ではなく,総論的にまとめていく.今回は「Webのアクセシビリティ」について.各障害別のAT/AACのところでコンピュータのアクセシビリティや使用方法は触れているので,そのことを思い出してもらえれば分かりやすいと思う.

  • Webのアクセシビリティ
    インターネット特にWebを利用するにあたり障害のある人にとっては,様々な障壁となる事項がある.解決策を各障害別にまとめてみよう.

    • 聴覚障害のある方への配慮
      • 音声が出力されるサイトを設計する際には,音が出ている旨が判断できるようにすること,ならびに何が出力されているのか分かるよう代替手段を設けること.
      • 企業サイトの場合,電話番号だけでなくFAX番号も記載すること.
    • 視覚障害のある方(全盲)への配慮
      • 視覚にたよる情報がなくても情報が伝わるよう代替手段を設けること.特に画像に対しては,適切なalt属性を設けること.
      • 画像からリンクを張る場合は,どのようなページにリンクを張っているか分かるよう適切なalt属性を設けること.
      • 各ページのヘッダーのtitleには,どのようなページが分かるように適切なタイトルを設けること.
      • ひとつの単語内にスペースや強制改行を入れないこと.
    • 視覚障害のある方(弱視・色弱)への配慮
      • 小さな文字の使用,見えにくい配色は避けること.
      • 背景色と文字色に適切なコントラストを設けること.
      • 色にのみ頼るページは避けること.
      • 同系統の色に偏ったデザインは避けること.
      • 赤と緑の区別が困難な人がいることを考慮し,配色を考慮すること.
    • 知的障害のある方への配慮
      • 分かりやすい構造,文章のサイト作るよう心掛けること.
    • 肢体不自由のある方への配慮(マウス使用の場合)
      • マウスの動く範囲を大きくとらないこと.
      • ボタンやリンク部分など,クリックで反応がある部分は大きくとること.
      • クリックする場所が変化するようなスクリプトやプログラムを避けること.
    • 肢体不自由のある方への配慮(キーボード使用の場合)
      • マウスを使用しての画面上の移動はキーボードでも行なえること.
      • キーボードナビゲーションによる操作を考慮し,次にどのにフォーカスが移動するか予測がつくようにすること.
    • 高齢者への配慮
      • 画面上の色,文字の大きさに配慮をすること.
      • 動きのあるものは速さなどを考慮に入れること.
      • なるべく外国語の表記を少なくすること.
      • リンクが張られている箇所が分かりやすいこと.
  • このblogでは,できていないことも入っており若干恐縮するが,個人的には上記のようなことを考慮し「どのような人がどのような状況でページを閲覧しているかを考えながらサイトを作る」ことを心掛ける方が良いと思う.

  • Webアクセシビリティの検証
    Webのアクセシビリティに関して次のようなガイドラインがあり,チェックツールがいくつか用意されている.

    現実問題,私自身はすべてのチェックができていない状況であるが,今自分のサイトを更新した場合,WindowsではInternetExplorer系のタグブラウザのGreenBrowserMozilla FirefoxOpera.MacではSafari,Internet Explorerを用いて確認すると思うが,実際のところはこのblogしか更新していない状況であるので,未チェックとなっている.本来ならば,Lynx等のテキストブラウザでの動作も確認しておいた方が,音声ブラウザ使用者向けにより適切な確認ができる.

次回は障害者・高齢者に関する基礎知識の部分をまとめる.その後,制度の紹介とサポート方法をまとめていく予定である.


参考文献・サイト

  1. 福祉情報技術 II 生活を支援する技術編
    e-AT利用促進協会 監修
  2. 福祉情報技術 I 障害とテクノロジー編
    e-AT利用促進協会 監修
  3. 福祉情報技術コーディネーター認定試験
    e-AT利用促進協会 監修
  4. アダプティブテクノロジー ~コンピュータによる障害者支援技術~
    ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
  5. こころWeb
    こころリソースブック編集会


盲ろうの方へのAT/AAC [e-AT・AAC(試験対策)]

各論の7セクションめ.盲ろう(defblindness)の方へのAT/AACについてまとめる.盲ろうについては,視覚・聴覚両方の障害が重複していることで他の障害に比べると独自の困難がある.

  • 盲ろう者
    • 厚生労働省の調査では全国に約17,000人の盲ろう者が存在すると推定されている(平成8年調査).全国盲ろう者協会で把握できている盲ろう者は560人(内434人は重度盲ろう者)(平成12年調査).
    • 盲ろうは程度・状態別に「全盲ろう」「盲難聴」「弱視ろう」「弱視難聴」の4つに分類される.なお,盲から盲ろうになった人を「盲ベースの盲ろう者」,ろうから盲ろうになった人を「ろうベースの盲ろう者」と分類することもある.
    • 盲ろう者は「コミュニケーション」「情報入手」「移動」に関して特に大きな制限を被る.
    • 「盲ろう」という障害について日本では明確な定義が無く,法令上は存在しない障害となっている.
    • 盲ろう児はさまざまなケースが考えられるが,盲学校・ろう学校・養護学校の障害児学校で教育を受けている.
  • コミュニケーション手段
    • 手話
      手話をメインにコミュニケーションをおこなっていたろう者が盲ろうとなったときに活用される.
      • 弱視手話
        視力が低い,視野が狭い,羞明(異常にまぶしさを感じる状態)などの症状がある場合,話者・通訳者との距離を適切に設定することで手話を読み取る方法.
      • 触手話
        全盲や手話を目で読み取ることができない場合,話者・通訳者の手話の形や位置を手で触れて手話を読み取る方法
    • 点字
      点字を習得した後盲ろうとなった場合,読み書きの手段として点字をアレンジしたコミュニケーション方法を用いることがある.
      • 指点字
        盲ろう者の指を点字タイプライターの6つのキーに見立てて,左右の人差し指からくすり指までの6本の指に直接触れる方法.
      • 点字筆記
        ブリスタ(ドイツ製の速記用点字タイプライタ)の紙テープや点字タイプライタ,文字盤を使用し点字用紙に打ち出してコミュニケーションする方法.
      • 手書き文字
        盲ろう者の手のひらに指先でひらがな,カタカナ,漢字などを書いてコミュニケーションする方法
  • 盲ろう者のための制度
    • 通訳・介助者派遣制度
      通訳・介助者とは盲ろう者のコミュニケーションと移動を保障するための支援者のことであり,通訳・介護者を盲ろう者の要求に応じて派遣するのが通訳・介助者派遣制度と言われる.
    • 日常生活用具給付制度
      一定の基準を満たす盲ろう者は視覚障害者・聴覚障害者用の日常生活給付が行なわれる.また,重度盲ろう者に対しては1999年度よりパソコン用点字ディスプレイも給付される.

次回はWebのアクセシビリティについてまとめる予定.


参考文献・サイト
  1. 福祉情報技術 II 生活を支援する技術編
    e-AT利用促進協会 監修
  2. 福祉情報技術 I 障害とテクノロジー編
    e-AT利用促進協会 監修
  3. 福祉情報技術コーディネーター認定試験
    e-AT利用促進協会 監修
  4. アダプティブテクノロジー ~コンピュータによる障害者支援技術~
    ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
  5. こころWeb
    こころリソースブック編集会

重度重複障害の方へのAT/AAC [e-AT・AAC(試験対策)]

各論の6セクションめ.重度重複障害の方へのAT/AACについて.近年,肢体不自由養護学校に通う児童・生徒の障害の重度化が進んでいるが,そのような方が本セクションの対象者となっている場合が多い.医療の発達により今後も重度重複障害の方は増えるものと思われる.

  • 重度重複障害
    • 18歳以上の在宅の重度重複障害数は約175,000人と推測される.
    • 知的障害と肢体不自由が合併するだけではなく,視覚障害,聴覚障害を合併するケースもある.
    • 呼吸器など生命維持装置を装着している場合がある.
    • 自分の発語や手足の動きがどのようなことを起こすか「因果関係(Cause and Effect)」を理解できていない場合が多い.
    • 「因果関係」が理解できないことが多いため,発信行動がほとんど無い場合が多い.
  • シンプルテクノロジー
    • 因果関係を理解するために有効な方法として「シンプルテクノロジー(シンプルテクノロジーシステム)」がある.
    • わずかな動きに反応するスイッチを使用し,電動のおもちゃ家電製品を動かし因果関係の理解を助けることが可能な場合がある.このシステムのことを「シンプルテクノロジー(シンプルテクノロジーシステム)」という.
    • シンプルテクノロジーは通常,外部スイッチ,アダプタと電動おもちゃ・家電製品の組み合わせで構成される.
    • 障害の症状・程度によりラッチ機能タイマー機能を用いることがある.
    • スイッチの選択
      • 使用者の残存機能にあったスイッチを選択することが重要である.
      • 使用者がスイッチに気付いていない場合があるので,支援者と一緒にスイッチを押し動作させてみることが必要な場合が多い..
        スイッチに関しては下記サイトをご参照下さい.
    • アダプタ
      • 市販されている家電製品や電動おもちゃにスイッチを接続するためのアダプタが必要な場合がほとんどである(一部スイッチに接続できるよう改造済みのおもちゃも販売されている).
      • 電動おもちゃにスイッチを接続するために必要なのが「乾電池アダプタ」である.
      • 乾電池アダプタは電動おもちゃの電池ボックスの電極と端子の間に挟みこむ.乾電池アダプタのジャック部分にスイッチを接続し,電動おもちゃのスイッチをオンにしておく.
      • 家電製品をスイッチで操作するためには「コンセントアダプタ」を使用する.
    • ラッチ機能とタイマー機能
      • 1度スイッチを押すと電動おもちゃ・家電製品が動作し,もう1度スイッチを押すと停止するのが「ラッチ機能」である.
      • 1度スイッチをおすと一定時間電動おもちゃ・家電製品が動作するのが「タイマー機能」である.
      • ラッチ機能やタイマー機能をもった装置はスイッチとアダプタの間に接続する.
      • 継続したスイッチ入力が困難な場合,ラッチ機能もしくはタイマー機能が有効である場合が多い.
      • 一瞬しかスイッチの入力ができない場合.ラッチ機能もしくはタイマー機能が有効である場合が多い.
      • スイッチが入力したままになる場合,タイマー機能が有効である場合が多い.
      • シンプルテクノロジーを用いた活動(アクティビティ)の内容によっても,ラッチ機能やタイマー機能を用いた方がより多くの活動が行なえる場合がある.
        シンプルテクノロジーに関しては下記サイトをご参照下さい.
  • アクティビティのポイント
    • 因果関係が理解できていない状態の使用者に,いきなりおもちゃとスイッチを渡してもすぐに遊べる訳ではない.
    • スイッチの選択については使用者も気付いていない場合が多いので,支援者がスイッチ入力の補助を行なう必要がある場合もある.
    • 使用者がどのようなものに興味があるのか,視線や指差しなどで判断して使用する機器を判断する必要がある.
    • 使用者によっては運動できる状態になるまでに時間を要する場合があるので,支援者には「待つ」姿勢を持つことが必要である.
    • 「障害があるからできない」ではなく「障害があってもできる」という認識を持つことが重要である.
    • シンプルテクノロジーにより重度重複障害者が何かの役割を持ったり,活動に参加することができるようになる場合がある.このような何らか活動の一部分に参加すること(部分参加)を見つけることが重要である.

次回は盲ろうの方へのAT/AACについてまとめる.


参考文献・サイト
  1. 福祉情報技術 II 生活を支援する技術編
    e-AT利用促進協会 監修
  2. 福祉情報技術 I 障害とテクノロジー編
    e-AT利用促進協会 監修
  3. 福祉情報技術コーディネーター認定試験
    e-AT利用促進協会 監修
  4. アダプティブテクノロジー ~コンピュータによる障害者支援技術~
    ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
  5. こころWeb
    こころリソースブック編集会

肢体不自由のある方へのAT/AACその3 [e-AT・AAC(試験対策)]

肢体不自由の方に入って3回め,今回はキーボード・マウスとも使えないときと環境制御装置(ECS)についてまとめる.

  • キーボード・マウスとも使えないとき
    • キーボード・マウスとも使えない状況について
      • 重度な四肢マヒがある場合
        高位の頚椎損傷,筋ジストロフィー,ALSなどにより重度な四肢マヒのある方で,操作をするためにはわずかな手や足の指,首,唇や舌の動き,呼吸器,まばたき,表情筋,眼球の動きを用いてスイッチを操作する,スイッチのずれなどにより誤作動が発生することが多い.
      • 不随意運動が多く四肢のコントロールが難しい場合
        脳性マヒなど不随意運動が多く四肢のコントロールが難しい場合で.大まかな腕や足の動きを用いてスイッチを操作するが,細かい動きや力のコントロールが難しい場合が多い.不随意運動によりスイッチが誤作動が発生することが多い.
    • キーボード・マウスとも使えない方のパソコンの入力方法
      • オートスキャン方式(自動走査法)
        画面上に表示されたオンスクリーンキーボード上を自動で移動するカーソルを入力すべき文字のところでスイッチを押しキーを選択する方法.重度の四肢マヒのある方が対象となるが,スイッチの入力にタイミングが必要であるため,不随意運動や緊張のある場合はステップスキャン法を用いた方が良い場合が多い.
      • ステップスキャン方式(逐次走査法・手動走査法)
        大きく分けてスイッチ2つで行なう方法とスイッチ1つで行なう方法の2種類がある.
        (1) スイッチ2つで入力する場合,一方のスイッチでオンスクリーンキーボードのカーソル移動,もう一方のスイッチでキーを選択し決定する方法,
        (2) スイッチ1つで入力を行なう場合,スイッチはオンスクリーンキーボードのカーソルの移動に使用し,目的のキーのところで一定時間止めておくことで決定を行なう方法, →ホバリング・自動選択と言われる.
        この方法だとスイッチを押す回数は増えるが,スイッチの押すタイミングは要求されないので不随意運動や緊張のある方でも入力が可能となる場合がある.
        スキャン方式のパソコン入力機器に関しては下記サイトをご参照下さい.
      • 符号化入力方式
        モールス信号のようにスイッチを操作で長短組み合わせた操作を行ない操作する方法.四肢の運動は制限されているが,細かな操作が可能な人に適する場合が多い.
        符号化方式のパソコン入力機器に関しては下記サイトをご参照下さい.
    • 操作用スイッチについて
      • 種類
        押して動作させる「プッシュスイッチ」,引いて動作させる「プルスイッチ」,接触させて動作させる「タッチスイッチ」が代表的.なお,操作スイッチには電源のいらないものと,電源が必要なものがあるので注意が必要な場合がある.
      • 固定方法
        方法は大きく分けて2種類.操作アームや柵・フレームなどに取り付ける方法と身体にテープ・ベルト・熱可塑性樹脂などを用い固定する方法である.前者の場合,場所によっては設置が難しくなるケースがあり,後者の場合,体に医療用テープなどを貼っても問題がないことを確認しなくてはならない.
        スイッチに関しては下記サイトをご参照下さい.
  • 環境制御装置(ECS:Environmantal Control System)
    • 環境制御装置について
      体にわずかに残された動きでスイッチを操作し,家電機器(テレビ・ビデオ)や呼び出し装置を操作することでQOLを高めるための機器.基本的に,本体・表示器・入力装置(スイッチ)の3つの部分に分けられる.非常に高機能なものから,機能を限定したものがあり,特にリモコンの信号を記憶することにのみ特化したものを「学習リモコン」という.また,環境制御装置により介護者の負担が軽減される点も重要である.ただし,環境制御装置は日常生活用具の給付対象とはなっていないので自費負担での購入となるため注意が必要.
    • 環境制御装置の操作方法
      • オートスキャン方式
      • ステップスキャン方式
        スイッチを用いた操作方法.上記のパソコンの入力方法の部分を参照のこと.
      • 直接選択方式
        学習リモコンを直接操作したり,各信号毎にスイッチが分けられている場合のこと.
    • 環境制御装置への接続方法,学習方法
      • 赤外線リモコンで操作する機器(テレビなど)
        環境制御装置に操作したいリモコンの赤外線信号を記憶させる.テレビに関しては問題なく使用できるが,一部のエアコンのリモコンは信号が複雑であるため記憶できない場合があるので注意が必要.
      • 100Vコンセントを操作する機器(スタンドなど)
        市販されているリレー端子に環境制御装置を接続し,電源部分に操作したい機器を接続する.
      • 有線リモコンで操作する機器(ベッドなど)
        ほとんどのベッドの場合,リモコンの改造が必要.個人的な見解だが,環境制御装置を用いてベッド操作を行なうことは,極めてリスクが高いことなのであまりお勧めしない.
    • 環境制御装置を導入する際の注意点
      使用できるチャンネル数(学習できる数や有線信号をコントロールできる数)は機器ごとに決まっているので,予め操作したい機器と機能を把握しておく必要がある.また,ベッドや暖房器具を操作する場合,危険がともなうので,しっかりスイッチが操作できてなおかつ意識が明瞭であることを確認する必要がある.なお,機器の導入後は定期的にフォローアップが必要である.
      環境制御装置に関しては下記サイトをご参照下さい.

肢体不自由に関しては一応これで終わり.次回からは重複障害に入る予定.


参考文献・サイト

  1. 福祉情報技術 II 生活を支援する技術編
    e-AT利用促進協会 監修
  2. 福祉情報技術 I 障害とテクノロジー編
    e-AT利用促進協会 監修
  3. 福祉情報技術コーディネーター認定試験
    e-AT利用促進協会 監修
  4. アダプティブテクノロジー ~コンピュータによる障害者支援技術~
    ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
  5. こころWeb
    こころリソースブック編集会


肢体不自由のある方へのAT/AACその2 [e-AT・AAC(試験対策)]

肢体不自由の方に入って2回め,今回はキーボードが使いにくい方,マウスが使いにくい方への入力支援方法をまとめる.

  • キーボードが使いにくいとき
    • キーボードが使いにくい状況について
      • マヒがある場合
        「可動範囲が狭く遠くにあるキーを押せない」「片手が使えないため[Shift]キーを押しながらの操作ができない」「キーが重過ぎ,深すぎのため押すことができない」など
      • 不随意運動や緊張がある場合
        「押さえたキーが話せないためリピート入力されてしまう」「意図したキーとは違うキーを押してしまう」
    • OS付属の機能での対応(Wondowsの場合)
    • OS付属の機能での対応(MacOSの場合)
      • イージーアクセス(旧MacOS)」機能(「コントロールパネル」内にある).
      • ユニバーサルアクセス(MacOS X)」機能(「システム環境設定」内にある).
      • キーボードに関して設定できる機能は「複合キー」「スローキー」の2つ.
      • 「複合キー」…特殊キー([Shift][Control][Option][Apple]キー)を押した状態で固定する機能.Windowsの「固定キー」に相当.
      • 「スローキー」…キーの入力を受け付けるための時間の設定を行なう機能.キーのリピート機能はスローキーの設定で解除される.Windowsの「フィルタキー」に相当.
      • 「固定キー」「スローキー」については「パソコンのアクセシビリティその7(Macの場合)」をご参照下さい.
      • コントロールパネル内の「キーボード設定」…キーの繰り返し速度と繰り返すまでの遅れの設定が可能.
    • 市販品の中にも大きさ,キーの深さ,動作重量などさまざまなものがあるので使用者によっては使えるものもある.
    • 自助具・キーガードの利用
      • 口にくわえた「マウススティック」や頭につけた「ヘッドスティック」などの自助具による入力可能となる場合がある.
      • キーガード…通常のキーボードに穴を開けたアクリル板をキーボードの上に取り付け誤動作を防ぐガード.
    • 代替キーボード
      • 大型キーボード…キーが大きく間隔も広いため,不随意運動の多い方に有効な場合がある.キー配列をかえられるものもある.
      • 小型キーボード…標準キーボードでは届かないキーのある方,可動域は小さいが細かい操作をできる方に有効な場合が多い.
      • オンスクリーンキーボード…画面に表示されたキーボードのことであり,マウスやトラックボールなどポインティングデバイスを操作し,マウスカーソルを入力したいキーの上に持って行き,クリックすることで入力できるものが多い.可動域が極めて狭く小型キーボードでも使用が困難な方に有効な場合がある.また,タッチスクリーンを使用し直接キーを押すことで直接選択できるものもある.キー配列や大きさを変えることができるものもある.
    • 音声入力…音声入力システムを使用し,音声でアプリケーションの使用や文章作成ができるものがある.ただし,認識率が人により違うこと,すべての操作ができる訳ではないことを伝える必要がある.
      キーボードの入力補助に関しては下記サイトをご参照下さい.
  • マウスが使いにくいとき
    • マウスが使いにくい状況について
      • マヒがある場合
        「マウスを動作させること自体が難しい場合」「マウスのボタンを押しながらマウスを動かせない場合」「ダブルクリックが難しい」など
      • 不随意運動や緊張がある場合
        「振えのためマウスカーソルを目的の場所に持っていけない」「クリックボタンを押すタイミングが上手く取れないためダブルクリックやドラッグが難しい」など
    • OS付属の機能での対応(Wondowsの場合)
      • ユーザー補助」機能(「コントロールパネル」内にある).
      • マウスに関して設定できる機能は「マウスキー」.
      • 「マウスキー」…テンキーを使ってマウスカーソルの操作ができるようになる機能.
      • 「マウスキー」については「パソコンのアクセシビリティその4(マウスキーについて)」をご参照下さい.
      • コントロールパネル内の「マウス」の設定…マウスの左右のボタンの機能の入れ替え,ダブルクリックの速さやマウスカーソルの移動速度の調整が可能.
      • キーボードショートカット」…[Ctrl]キー+「S」キーで保存,[Ctrl]キー+「P」キーで印刷など通常マウスで行なう動作をキーボードでもできるよう置き換えたもの.
      • キーボードナビゲーション」…アプリケーションの使用をキーボードのみで操作できるようにする機能.[Tab]キーでフォーカス移動,[Enter]キーで決定となる,
    • OS付属の機能での対応(MacOSの場合)
      • イージーアクセス(旧MacOS)」機能(「コントロールパネル」内にある).
      • ユニバーサルアクセス(MacOS X)」機能(「システム環境設定」内にある).
      • 「マウスキー」…テンキーを使ってマウスカーソルの操作ができるようになる機能.Windowsの「マウスキー」と同様.
      • 「マウスキー」については「パソコンのアクセシビリティその7(Macの場合)」をご参照下さい.
      • コントロールパネル内の「マウス設定」…マウスの移動速度,ダブルクリックの速さ,マウスの軌跡の長さの設定が可能.
      • 「ショートカット」…マウスを使って操作する一般的な機能をキーボードのみで行なうことが可能であるが,Windowsにくらべるとキー操作のみでマウス操作の代替できるケースが少ない.
    • 市販品の中にも小さいマウス,トラックボール,タッチパッドなどさまざまなものがあるので使用者によっては使えるものもある.また,ゲーム用のジョイスティックやコントローラーをパソコンでマウスとして使用するためのソフトがある.
    • 自助具の利用…クリックボタンに外部スイッチを接続し操作できるようにするなど.
    • 代替マウス
      • トラックボール…指先でボールを操作することでマウスカーソルを動かす装置で,腕の動きが困難な場合に使用できる場合がある.
      • タッチパッド…よくノートパソコンについているポインティングデバイス,指先の移動でマウスカーソルを動かす装置で,トラックボールと同様に腕の動きが困難な場合に使用できる場合がある.また,動作に必要な力はトラックボールより少ない.
      • 押しボタン式マウス…方向ボタンを押しマウスカーソルを操作する装置.
      • ジョイスティック式マウス…マウス・トラックボールとは異なり,スティックの角度に応じてマウスカーソルが移動する装置.
      • ヘッドコントロールマウス…頭部に発信機や反射シールを装着し,頭部の動きでマウスカーソルを操作する装置
      • 視線入力式マウス…目で見た方向にマウスカーソルを移動させる装置で,カメラで眼球の動きを検出しマウスカーソルの動きに変えるもの.
        マウスの入力補助に関しては下記サイトをご参照下さい.

次回はキーボード・マウスともが使いにくい方への入力支援方法および環境制御装置についてまとめる.


参考文献・サイト

  1. 福祉情報技術 II 生活を支援する技術編
    e-AT利用促進協会 監修
  2. 福祉情報技術 I 障害とテクノロジー編
    e-AT利用促進協会 監修
  3. 福祉情報技術コーディネーター認定試験
    e-AT利用促進協会 監修
  4. アダプティブテクノロジー ~コンピュータによる障害者支援技術~
    ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
  5. こころWeb
    こころリソースブック編集会


肢体不自由のある方へのAT/AACその1 [e-AT・AAC(試験対策)]

ということで各論に入っての5セクションめ.肢体不自由(運動障害)のある方へのAT/AACの紹介である.ここでは3回に渡って,肢体不自由の原因・種類,パソコンへのアクセス,生活支援機器についてまとめる予定.今回は肢体不自由の原因・種類をまとめている.

  • 肢体不自由(運動障害)
    18歳以上の在宅の肢体不自由者数は約1,749,000人,18歳未満の在宅の肢体不自由児数は約47,700人(平成13年現在).
  • 肢体不自由の原因・種類
    • 脳損傷によるもの
      • 脳梗塞…脳血管がつまる.
      • 脳出血…脳血管の破裂.
      • 脳外傷…脳に強い衝撃を受ける.
      • 脳性マヒ(CP)…受胎時~生後4週までに脳に損傷が発生したもの.
      • 脳腫瘍
      • ALS(筋萎縮性側策硬化症)…脳と脊髄を結ぶ神経の疾患.
        など
      • 特徴
        • 脳の損傷部位とは反対側がマヒする.
        • 広範囲に損傷すると全身マヒ(四肢マヒ)が発生する場合がある.
        • 脳の損傷により,言語障害・記憶障害・認知障害を併発する場合がある.
    • 脊髄損傷によるもの
      • 交通事故,スポーツの事故などにより発生.
      • 脊髄が分断されると損傷部位が繋がる器官以下の運動が不可能となり,感覚も無くなる.
      • 損傷部位が高位になるほど障害が重度化する.
      • 体温調整・排尿・排便が困難になる.
    • 末梢神経の損傷によるもの
      • 神経の圧迫,外傷,血管障害などによって発生.
      • 末梢神経が支配している部分がマヒする.
    • 筋肉の疾患によるもの
      • 筋ジストロフィーが代表例.
      • 筋ジストロフィーの場合,筋肉が萎縮するため歩行障害や呼吸障害を併発する.
    • 骨・関節の疾患によるもの
      • 例として骨腫瘍,関節炎,リウマチなどがある.
      • 疾患部の腫れや痛み,関節運動の制限が起こり,関節部分が固まる場合もある.
  • 肢体不自由の特徴
    • マヒ…体を動かすことができない状態.
    • 不随意運動…本人の意図に反して体が動く運動のこと.
    • 震戦…曲げる筋肉と伸ばす筋肉のように拮抗した筋肉が交互に収縮するために発生する比較的リズミカルな無目的な振え(不随意運動)のこと.特に目的物に近づくときに大きくなる震戦を企図震戦という.
    • アテトーゼ…主に手足に見られるゆっくりとした異常な運動でねじれ・伸び・曲げといった運動が組み合わされて発生する不随意運動.脳性マヒの方に症状として表れることが多い.また緊張にともない発生しやすい傾向がある.
    • 痙攣…全身の筋,筋群の発作性の筋肉の収縮による不随意運動.
    • パーキンソン症状…震戦,硬直,運動緩慢であり無動の状態である不随意運動.
    • 失調症状…協調した運動と平衡障害により,意図した運動が行なえない不随意運動.
    • 四肢の変形・欠損…先天的な疾患,事故による切断などが代表例.
    • 姿勢保持の障害…定頸困難,座位困難などがある.



次回はパソコンへのアクセス方法についてまとめる.


参考文献・サイト

  1. 福祉情報技術 II 生活を支援する技術編
    e-AT利用促進協会 監修
  2. 福祉情報技術 I 障害とテクノロジー編
    e-AT利用促進協会 監修
  3. 福祉情報技術コーディネーター認定試験
    e-AT利用促進協会 監修
  4. アダプティブテクノロジー ~コンピュータによる障害者支援技術~
    ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
  5. こころWeb
    こころリソースブック編集会


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